2025年の最終取引日である12月31日、および2026年の取引開始日である1月2日、ボルサ・マレーシア・デリバティブスにおけるCPO(粗パーム油)先物市場は短期的な下落圧力を受けました。特に1月2日には、マレーシアのパーム油先物は約1%下落し、一時MYR 4,000/トン近辺で推移しました。この直近の下落は、2025年12月後半のインドからの力強い輸入需要に支えられた上昇相場からの利益確定売りと、短期的な需要の減速懸念が主な要因です。
市場のセンチメントを冷やしているのは、複数のマクロ経済的要因です。WTI原油価格は2025年に年間約20%下落し、1月2日時点では1バレルあたり約$57.42で推移していました。原油価格の軟化は、代替のエネルギー源としての植物油への関心を相対的に低下させる可能性があります。さらに、マレーシア・リンギットが対米ドルで上昇基調にあり、1月1日にはUSD/MYRが4.0550まで下落し、過去12か月間で9.46%上昇するなど、輸出競争力を削ぐ要因として作用しています。Kaleesuwari Intercontinentalの取引・ヘッジ戦略責任者であるGnanasekar Thiagarajan氏は、この強いリンギットが2026年2月の価格上昇の可能性を抑制する要因となり得ると指摘しています。
一方で、市場は2026年2月にかけての季節的な需要回復を見込んでいます。この時期は、旧正月(2026年2月17日)とラマダン(2026年2月17日頃開始見込み)という二大需要期が重なるためです。特にラマダン期間中は、断食明けの食事(イフタール)などで消費が増加し、需要を押し上げる歴史的な背景があります。この季節的要因は、CPO価格を再びRM 4,000/トン超へと押し上げる潜在力を持つと見られています。
供給サイドでは、マレーシアの輸出動向が注目されています。AmSpecのデータによれば、2025年12月のマレーシアからの輸出は前月比で5%減少したと報告されており、貨物調査機関も12月1日から25日の期間で5.2%から5.8%の減少を指摘しています。しかし、インドネシアの動向も重要であり、同国は2026年下半期にB50バイオディーゼル導入を計画しており、国内需要が増加し、輸出供給が引き締まる可能性があります。マレーシア・パーム油評議会(MPOC)は、2026年の生産量を1,970万トン、輸出量を1,620万トンと予測しており、これは生産が休止期に入りつつある中で需要とのバランスが改善に向かうことを示唆しています。また、マレーシア経済全体としては、国内需要の強さに支えられ、2026年も4.0%から4.5%のGDP成長を維持する見通しが示されています。
市場のテクニカルな見解では、CPO価格はRM 4,000/トン付近で支持線を見出し、直近の抵抗線はRM 4,150/トンに設定されていると示唆されています。2026年初頭は、短期的な利益確定とマクロ的な逆風が、季節的な需要回復の期待とどのように均衡するかが、価格の方向性を決定する鍵となるでしょう。インドの12月第1四半期の輸入実績が前月比で66%増加したことは、市場の短期的な下支え要因として機能しました。


