イランの報復攻撃、湾岸エネルギーインフラを直撃し原油・ガス価格が急騰

編集者: max one

2026年3月19日木曜日、ペルシャ湾岸地域におけるイランによる報復的な空爆が再燃し、世界のエネルギー市場に大きな混乱をもたらした。この一連の事態は、イスラエルがイランのエネルギー基盤であるサウスパース・ガス田を攻撃したことに端を発しており、紛争は既に20日目に突入している。

イランの報復攻撃は、カタール、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、クウェートの重要インフラを標的とし、世界のエネルギー供給の安定性に対する懸念を増大させた。特に甚大な被害を受けたのはカタールのラス・ラファン工業都市であり、世界最大の液化天然ガス(LNG)輸出プラントがミサイル攻撃を受けた。カタール・エナジーのサアド・アル・カービCEO兼エネルギー担当国務相によると、この攻撃により同国のLNG輸出能力の17%が停止し、損傷した2基のLNGプラントと2箇所のガス・ツー・リキッド(GTL)施設の復旧には最長5年間を要する見通しである。この長期的な供給途絶の可能性は、欧州やアジアとの長期契約履行に影響を及ぼし、不可抗力(フォースマジュール)の宣言を余儀なくさせている。

サウジアラビアでは、紅海沿岸のヤンブー港に位置するサムレフ製油所がドローン攻撃の標的となり火災が発生した。サムレフはサウジアラムコとエクソンモービルが共同出資する中東有数の製油所であり、ホルムズ海峡の封鎖を迂回できるヤンブー港からの原油輸出が増加していた最中の打撃となった。また、クウェートでは、国営クウェート石油公社のミナ・アル・アフマディ製油所とミナ・アブドゥッラー製油所の操業ユニットでドローンによる火災が確認され、一時的に操業が停止された。UAEでも、ミサイル破片の落下によりガス施設が一時閉鎖される事態に見舞われた。

これらのインフラへの直接的な物理的破壊は、市場のパニックを誘発した。国際的な指標であるブレント原油価格は一時1バレル=114.87ドルを突破し、2月下旬以降で60%以上の上昇を記録した。欧州の天然ガス価格(TTF)もベンチマークによっては最大30%から35%急騰し、世界のエネルギー市場の逼迫懸念を反映した。この価格高騰は、世界経済のインフレ懸念を再燃させている。

米国では、ドナルド・トランプ大統領が事態の沈静化を求めつつも、イランの行動に対しては強硬な姿勢を崩していない。トランプ大統領は、イランがカタールのLNG施設を攻撃した場合、「サウスパース・ガス田全体を大規模に破壊する」と警告を発し、イスラエルがサウスパースを攻撃したことには関与していないと明言した。一方、連邦準備制度理事会(FRB)は3月18日に連邦公開市場委員会(FOMC)を開催し、政策金利を3.5%から3.75%のレンジで据え置くことを決定した。FRBは声明で、中東情勢による経済への影響は「不透明」であるとし、インフレの不確実性を理由に、年内の利下げ見通しを前回から据え置く判断を下した。

この紛争の背景には、2月28日に開始された米国とイスラエルによるイランへの軍事作戦があり、その結果、イランの最高指導者が暗殺され、ホルムズ海峡が事実上封鎖されるという事態に至っている。ホルムズ海峡は世界の石油・LNG供給量の約20%が通過する要衝であり、その封鎖はアジア諸国のエネルギー調達にも深刻な影響を与えている。日本政府関係者は、封鎖解除にはイラン側との直接交渉が最も効果的であるとの見解を示しつつ、G7声明に参加するなど外交的努力を継続している。この地政学的緊張の長期化は、エネルギー市場の構造的な負荷を世界経済にもたらす可能性が指摘されている。

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ソース元

  • Clarin

  • The Objective

  • Infobae

  • Primicias

  • N+

  • EL PAÍS

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