スイス金融機関への信頼、2007年水準に後退、構造的要因が影響か

編集者: user3@asd.asd user3@asd.asd

スイス銀行協会(SBA)のためにGfs.bernが実施した2025年後半の調査によると、スイスの金融機関に対する国民の信頼度は53%の肯定的評価にまで低下したことが明らかになった。この水準は、世界金融危機(リーマン・ショック)直前の2007年と同水準であり、スイスの金融セクターが再び厳しい評価に直面している現状を示唆している。

2021年には新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への対応を通じて信頼度がピークに達していたが、その後の下落は顕著である。調査結果からは、この信頼度の低下が単なる景気循環ではなく、社会構造的な要因を反映している可能性が読み取れる。特に若年層および左派寄りの政治的見解を持つ有権者の間で、金融機関への信頼が著しく低い傾向が見られ、世代間および政治的な二極化が金融システムの安定性に対する国民の認識に影響を与えていると分析されている。

スイスの金融システムは、その歴史を通じて国際的な地位を確立してきたが、近年、2023年3月のクレディ・スイスの経営危機のような出来事が国民の信頼基盤を揺るがしている。クレディ・スイスは過去にもマネーロンダリングやスパイ事件などの不祥事を経験しており、2008年には82億フランの年間損失を記録した際も政府支援なしで危機を乗り切った経緯があるが、2023年の合併劇は金融システムへの影響を再考させるものとなった。この合併では、AT1債の元本全額削減という異例の措置が取られ、債権者と株主の立場が逆転したことで、投資家コミュニティに大きな動揺が走った。

スイス当局は危機対応として、破綻処理ではなく商業的合併を流動性支援で支える道を選択した。この対応は、バーゼル銀行監督委員会(BCBS)や金融安定理事会(FSB)が2023年10月に公表した報告書で示唆された教訓と関連付けられる。連邦金融市場監督機構(FINMA)は2023年12月に教訓に関する報告書を公表し、連邦参事会(内閣)も2024年4月に「大きすぎてつぶせない(too big to fail)」銀行の監督・規制枠組み強化を勧告する報告書を発表しており、当局は危機からの教訓を制度改革に反映させようとしている。

2019年時点ではスイス国民の半数以上が銀行に好意的であったデータもあり、過去数年で信頼回復の兆しが見られた時期もあったが、2025年後半の調査結果は回復が頓挫したことを示している。スイスの総人口は約904万人(2024年、スイス連邦統計庁)であり、この限られた母集団における金融機関への信頼度の変動は、国内経済の健全性を示す重要な指標として注視されるべきである。スイス国立銀行は2025年12月11日にゼロ金利政策の維持を決定するなど、金融政策のスタンスは慎重に保たれているが、国民の信頼という「ソフトな資産」の回復には、より多角的なアプローチが求められる状況にある。

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ソース元

  • www.Bluewin.ch

  • SWI swissinfo.ch

  • Bluewin

  • Ticinonline

  • Associazione Svizzera dei Banchieri - Swiss Banking

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