2025年11月にブラジルのパラー州ベレンで開催が予定されている第30回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP30)は、現在、物流およびインフラ整備において重大な困難に直面しています。本会議は2025年11月10日から21日まで行われる予定で、それに先立ち11月6日と7日には首脳級サミットの開催が見込まれています。アマゾン地域に位置し、環境保護への焦点を象徴する「パルケ・ダ・シダーデ(Parque da Cidade)」が主要会場となり、ブルーゾーンとグリーンゾーンの両方が設置されます。このサミットは、主要な資金援助の枠組みが確立されたCOP29を引き継ぐものであり、参加国は地球温暖化を1.5度以内に抑えるための新たな「国が決定する貢献(NDC)」の提示を目指し、その進捗を厳格に精査することになります。
しかし、2025年9月から開始された土木建設業界のストライキが、会議に不可欠な施設整備の大きな妨げとなっています。この労働争議により、主要なインフラ開発が停滞しており、特に各国首脳の宿泊が予定されている「ヴィラ・ドス・リデレス(首脳の村)」の一区画では、約60%の工程に遅れが生じていると報告されています。一部の建設セグメントでは作業の一時停止も発生しており、サミット開始までの施設完成が極めて重要な課題となっています。開催国であるブラジルは、会議が気候変動対策の実質的な進展に集中できるよう、これらの運営上のリスク解消に注力しています。
インフラの遅延に加え、現地での宿泊能力の圧倒的な不足も深刻な懸念材料となっており、参加者のアクセシビリティに影響を及ぼしています。世界各国のリーダーや科学者、NGO、市民社会の代表者らを受け入れるためには推定5万床のベッドが必要とされていますが、現在ベレン市内で確保可能な客室数は1万4,000室から1万8,000室程度に留まっています。この深刻な供給不足により、ホテルの宿泊料金は1泊あたり2,000ユーロから4,000ユーロという異例の高値にまで跳ね上がっています。このようなコストの高騰は、発展途上国の代表団や小規模な組織にとって、手頃な宿泊先を確保する上での大きな障壁となる可能性があります。
さらに、これほど大規模な国際会議をアマゾン地域で開催するためのセキュリティ確保も、運営の複雑さを増大させています。パラー州のヘルダー・バルバーリョ知事は、COP30の期間中、治安維持のために連邦政府に対して「法と秩序の保証(GLO)」令の発動を正式に要請しました。この要請は、多数の国際的な要人を迎えるにあたっての警備需要の高さを示しています。労働争議によるインフラ整備の遅れ、宿泊施設の不足に伴うコスト増、そして高度なセキュリティ対策の必要性という、これら複数の問題が重なり合っており、2025年11月の開催に向けて迅速なリスク緩和策が求められています。



