俳優アーミル・カーンが主演を務める最新作「シタール・ゼミーン・パール」が、2025年6月20日の劇場公開後、従来のオンライン配信プラットフォームではなく、YouTubeでの直接公開という異例の配給戦略を採用したことが注目を集めている。
R.S.プラサナ監督がメガホンを取った本作は、メンタルヘルスとインクルージョンをテーマに掲げた「ターレ・ゼミーン・パール」のスピリチュアルな後継作と位置づけられている。主演はアーミル・カーンとジェネリア・デシュムクが務め、さらに10名の新人が共演に名を連ねている。
カーンは、劇場に足を運ぶことが難しい観客にも作品を届けたいという思いから、YouTubeでの公開を決断したと説明している。2025年5月8日に公開された予告編は、その感動的な内容で高い評価を得た。本作は、2018年のスペイン映画「チャンピオンズ」のリメイクであり、知的障害を持つバスケットボールチームを指導することになったコーチの実話に基づいている。
「シタール・ゼミーン・パール」は、2025年のヒンディー語映画として6番目に高いオープニング興行収入を記録し、初週末に11.7クロールを獲得した。2025年7月29日現在もYouTubeで配信されており、世界中の視聴者がアクセス可能となっている。これまでに世界興行収入で2億6300万クロールを超え、2025年のヒンディー語映画で3番目、インド映画全体でも4番目に高い興行収入を記録している。
このユニークな配給戦略は、映画業界におけるデジタル配信の可能性を広げるものとして評価されており、特に劇場へのアクセスが限られる地域や、より広範な観客層へのリーチを目指す製作者にとって、新たな道筋を示唆している。メンタルヘルスやインクルージョンといった現代的なテーマを扱いながら、革新的な配信方法で観客の関心を集めている本作は、2025年8月15日から17日までYouTubeでのレンタル料金を50ルピーに値下げする特別キャンペーンも実施中である。