ボリビア大統領選挙、パス上院議員がリードし決選投票へ 20年続いた左派政権に変化の兆し

編集者: Olha 1 Yo

2025年8月17日に実施されたボリビア大統領選挙の第1回投票で、ロドリゴ・パズ・ペレイラ上院議員が32.15%の票を獲得し、首位に立ちました。この結果により、ボリビア史上初めて大統領選挙が決選投票に進むこととなり、10月19日に元大統領ホルヘ・キロガ氏(26.87%)と争われることになります。

今回の選挙は、約20年にわたりボリビア政治を支配してきた社会主義運動(MAS)党にとって大きな打撃となりました。MAS党の候補者エドゥアルド・デル・カスティージョ氏はわずか3.16%の得票にとどまり、同党は議会での過半数も失う見込みです。MAS党の低迷は、現職大統領ルイス・アルセ氏が再選を目指さず、後任としてデル・カスティージョ氏を指名したことや、エボ・モラレス元大統領が選挙への参加を拒否され、無効票を投じるよう支持者に呼びかけたことなどが影響しています。モラレス元大統領の支持者による無効票は全体の約20%に達しました。

ボリビアは現在、深刻な経済危機に直面しており、2025年のインフレ率は7月時点で24.86%に達し、燃料や外貨(特に米ドル)の不足が深刻化しています。これらの経済問題は、国民の間に変化を求める強い願望を生み出しており、今回の選挙結果に反映された形です。天然ガス収入の減少とそれに伴う外貨準備高の枯渇が、輸入コストの上昇とインフレの加速を招いています。

パズ・ペレイラ上院議員はキリスト教民主党(PDC)の候補者で、父も元大統領であったハイメ・パズ・サモラ氏の息子でもあります。「すべての人に資本主義」を掲げ、アクセスしやすい融資、税制上の障壁の軽減、輸入障壁の撤廃などを公約としています。一方、キロガ氏はテキサスA&M大学で教育を受けた元大統領であり、厳格な緊縮財政とボリビアの国家主導型経済モデルの抜本的な改革を約束しています。

今回の選挙結果は、ボリビアが過去約20年間の左派政権から脱却し、新たな政治的時代を迎える可能性を示唆しています。決選投票の結果が、今後のボリビアの経済および政治の方向性を決定づける重要な要素となるでしょう。欧州連合(EU)と米州機構(OAS)の選挙監視団は、選挙が平和的かつ競争的に行われたと報告しています。

ソース元

  • Deutsche Welle

  • El País

  • Wikipedia

  • Euronews

  • T24

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