米国上院議員団が2025年8月29日、台湾の台北を訪問し、中国との緊張が高まる中、台湾の安全保障への米国のコミットメントを再確認しました。ロジャー・ウィッカー上院議員（上院軍事委員長）とデボラ・フィッシャー上院議員は、2026会計年度国防授権法（NDAA）に含まれる、台湾の防衛能力を強化する条項を支持するために訪台しました。中国大使館は、議員らの訪問中止を求め、両国間の緊張関係を浮き彫りにしました。
米国は引き続き台湾の主要な国際的支援国であり、武器供給国です。ウィッカー議員は、ロナルド・レーガン元大統領が提唱した「力の平和」の原則に言及し、今回の訪問が「米国と台湾が将来にわたって持つであろう、そして既に持っている素晴らしいパートナーシップを強化し、強調するため」であると述べました。フィッシャー議員も共和党員であり、軍事委員会のメンバーです。この訪問は、米国上院が約1兆ドル規模の2026会計年度国防授権法（NDAA）を審議している時期と重なります。この法律には、台湾の防衛能力を向上させるための条項が含まれています。
中国は一貫して台湾への米国の支援に反対しており、台湾を自国領土と見なしています。過去5年間で、中国は台湾周辺での軍事活動を活発化させており、武力行使による台湾統一の可能性を排除していません。ウィッカー議員の今回の訪問は、一部の米国議会議員が、トランプ大統領が中国との貿易交渉を進める中で安全保障問題を軽視しているのではないかとの懸念を示している中で行われました。
米国は、1979年の台湾関係法に基づき、台湾への武器供与を通じてその防衛能力を強化することを目指しています。この法律は、米国が台湾に「防衛的な性格の武器」を提供することを規定していますが、その定義は政治的な含意を持つものとなっています。過去数十年にわたり、米国は台湾への武器売却を継続しており、これはワシントンが北京との国交を樹立し、台湾との防衛条約を終了させた後も続いています。2025年度のNDAAには、台湾の安全保障協力イニシアチブのために10億ドルが割り当てられ、戦闘時の負傷者治療や医療機器への使用範囲が拡大されることが含まれています。また、台湾の無人システムおよび対無人システム能力の開発・生産を可能にするための共同プログラムも盛り込まれています。
この訪問は、インド太平洋地域における地政学的な緊張、特に中国の主張と米国の同盟国へのコミットメントを浮き彫りにしています。NDAAの条項は、米国の外交政策と防衛における台湾の戦略的重要性を示しています。中国大使館の反応は、台湾を巡る長年の外交的摩擦を反映した、予測可能なものです。米国の戦略は、訪問を通じた外交的関与と、防衛立法を通じた具体的な支援という二重のアプローチであると考えられます。この動きは、地域の安定を維持するための米国の決意を示すものです。