米国、ウクライナへ8億2500万ドル規模の武器供与を承認、長距離ミサイルで防衛力強化

編集者: Dmitry Drozd

米国国務省は、ウクライナの防衛能力強化を目的とした総額8億2500万ドル規模の外国軍事売却を承認しました。このパッケージには、ロシアの侵略に対抗するための長距離攻撃弾(ERAM)ミサイル3350発が含まれています。

この武器供与は、デンマーク、オランダ、ノルウェーといったNATO同盟国からの資金提供と、米国の対外軍事融資によって賄われます。ERAMミサイルは射程距離が最大450キロメートルに及び、ロシアの防空システムに対抗するために配備される予定です。この承認は、米国によるウクライナへの軍事援助に関する不確実性が続いていた時期を経て行われました。この売却は、ウクライナの防衛力強化と欧州の安定に貢献することで、米国の国益にも合致するものです。

ERAMミサイルは、巡航ミサイルと爆弾を組み合わせたようなハイブリッド兵器であり、その射程は240キロメートルから400キロメートル以上に及びます。これにより、ウクライナは占領下のクリミアやドンバス地域のロシア軍補給拠点、さらには国境を越えた指揮所なども攻撃可能になります。このミサイルは、毎秒700キロメートルを超える速度で飛行し、約10メートルの精度で目標を捉えることができます。重量は約227キログラムです。

今回の武器供与は、ウクライナがロシアの侵攻に対して自国を守るための能力をさらに向上させるものです。特に、長距離攻撃能力の強化は、ロシアの軍事インフラや補給線に打撃を与える可能性を高め、戦況に影響を与えることが期待されます。米国は、直接的な軍事介入を避けつつ、ウクライナの自衛能力を支援するという戦略を継続しており、今回の決定もその一環と見られています。過去には、米国は7月にウクライナに対し、防空能力強化や装甲兵員輸送車の供与を目的とした3億2200万ドル規模の売却、および防空システムや砲兵部隊の維持管理を目的とした3億3000万ドル規模の売却を承認しています。

この武器売却は、ウクライナの防衛産業基盤を強化し、その維持・整備要件を支援するものでもあります。特に、ウクライナのドローン能力の向上に貢献し、国内でのドローン生産を可能にするための数千機の無人航空機と部品が提供されます。ウクライナ軍は、ロシアの侵攻以来、ロシア軍に多数の死傷者を出しており、国内の防衛産業も急速に発展しています。数百のウクライナ企業が、ソフトウェアから戦闘用ドローンまで、革新的な新技術を軍に供給しています。シンプルで手頃な価格の防衛技術ソリューションに焦点を当てることで、ウクライナはロシアの圧倒的な人員、火力、資源の優位性を補うことに成功しています。

今回のERAMミサイルの供与は、ウクライナがより遠距離の目標を攻撃する能力を獲得し、ロシアの防空網を回避しながら戦略的な打撃を与えることを可能にします。これは、戦場の状況を変化させる可能性を秘めており、ウクライナの防衛戦略における重要な一歩と言えるでしょう。

ソース元

  • SUCH TV

  • US State Department approves potential sale of air-launched cruise missiles to Ukraine

  • US approves $825 million military sale to Ukraine for ERAM missiles

  • Trump administration announces a $825 million arms sale to Ukraine

  • 2025 London Summit on Ukraine

  • US confirms Trump ordered resumption of Ukraine military aid shipments

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