リビア砂漠に消えたエジプト軍部隊の謎、2025年も続く

編集者: Sergey Belyy1

1980年代にリビア砂漠で消息を絶ったエジプト軍大隊を巡る謎は、2025年現在も歴史家や考古学者の間で関心を集め続けている。数多くの捜索にもかかわらず、兵士たちの運命を説明する決定的な証拠は未だに見つかっていない。

砂嵐による壊滅的な被害を想定する説に対し、エジプト考古学者のオラフ・ケーパー博士は懐疑的な見解を示している。「砂嵐が多数の死者を引き起こす可能性は、事実上ゼロに近い。歴史的な記録によれば、過去の砂嵐で甚大な犠牲者が出た例はない」と博士は述べている。この見解は、古代ペルシャ王カンビュセス2世の5万人の兵士が砂嵐で失われたというヘロドトスの記述とは対照的である。ケーパー博士は、この兵士たちは砂嵐に巻き込まれたのではなく、エジプトの反乱指導者ペトバステス3世によって待ち伏せされ、敗北したと推測している。この説は、ダフラ・オアシスでの発掘調査で発見された碑文に基づいている。

行方不明となった約5万人の兵士の失踪は、依然として大きな議論の的となっている。一部の学者は、この部隊がプトレマイオス13世時代のリュビア軍に敗北したと提唱しているが、その根拠とされる碑文は、失踪事件が発生した1980年代よりもはるかに古い時代のものとされており、この説の信憑性は低い。プトレマイオス13世は紀元前1世紀の人物であり、1980年代の出来事とは時代が大きく異なる。

1983年、ハーバード大学が資金提供した探検隊がエジプトとリビアの国境付近を6ヶ月間にわたり捜索したが、失踪した部隊との関連を示す実質的な証拠は見つからなかった。その後、2000年には石油探査業者らが、失踪した軍隊のものと思われる遺物を発見したと報告したが、これらの発見はさらに調査されることはなかった。これらの遺物には、武器の破片やテキスタイルが含まれていたとされるが、その後の詳細な調査は行われていない。

2025年8月18日現在、このエジプト軍部隊の失踪は、歴史上最も不可解な未解決の謎の一つとして残っている。砂漠の広大さと過酷な環境は、多くの秘密を今もなお隠し続けているかのようである。

ソース元

  • Kalki Online

  • Harvard University Egypt-Libya Expedition 1983

  • Archaeology Magazine: The Vanishing Egyptian Army

  • History Channel: Ptolemy XIII

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