SpaceX、NAOS衛星と7つの二次ペイロードをバンデンバーグから打ち上げ成功

編集者: Sergey Belyy1

2025年8月26日、SpaceXはバンデンバーグ宇宙フォース基地からファルコン9ブロック5ロケット(B1063、通算27回目の飛行)の打ち上げに成功しました。このミッションでは、ルクセンブルク国防省向けにOHBイタリアが開発した国家先進光学システム(NAOS)衛星と、7つの二次ペイロードが軌道に投入されました。打ち上げは東部夏時間午後2時53分(太平洋夏時間午前11時53分)に、発射台4東(SLC-4E)から行われました。

NAOS衛星は、高度約450kmの太陽同期極軌道に投入され、1日あたり約15周回して地球を観測します。この衛星は、政府および軍事目的で使用され、1日に100枚以上の高解像度画像を撮影することが可能です。最低応答時間は画像リクエストから利用可能になるまで17時間とされています。NAOSは、NATOなどの国際機関にも画像を提供し、軍事作戦、軍備管理条約の監視、気候変動の研究、自然災害管理などに貢献することが期待されています。

今回の打ち上げに使用されたファルコン9ロケットの第1段ブースターB1063は、バンデンバーグ宇宙フォース基地の着陸地点4(LZ-4)に無事帰還・着陸しました。これは同ブースターの27回目の回収となり、SpaceXのロケット再利用技術の進歩を改めて示しました。

NAOS衛星に加え、今回のミッションには以下の7つの二次ペイロードが搭載されました。

  • LEAP-1: Dhruva Space社が開発したペイロードで、先進的な人工知能(AI)モジュールとハイパースペクトルイメージャーの2つのデモンストレーションが含まれます。このミッションはインドとオーストラリアの協力によるもので、AIによるリアルタイムの地理空間処理能力を実証します。

  • Pelican-3およびPelican-4: Planet Labs社の地球観測衛星で、同社の既存コンステレーションを補強し、グローバルな画像撮影能力を向上させます。これらの衛星はNVIDIAのJetson AIプラットフォームを搭載し、オンボードでのAI処理により迅速な洞察を提供します。

  • Acadia-6: Capella Space社の商用観測プラットフォームで、全天候型イメージングを可能にする合成開口レーダー(SAR)技術を特徴としています。

  • FFLY-1、FFLY-2、FFLY-3: Pixxel社のナノ衛星で、地球観測のための高周波ハイパースペクトルイメージング能力を備えています。Pixxelは地球の「健康モニター」を構築することを目指しており、この衛星群は気候変動や環境問題の監視に貢献します。

今回の打ち上げは、SpaceXにとって2025年で104回目のファルコン9ミッションであり、2010年以来通算522回目のファルコン9打ち上げとなりました。

ソース元

  • Space.com

  • NAOS (satellite) - Wikipedia

  • Starship flight test 10 - Wikipedia

  • List of Falcon 9 and Falcon Heavy launches - Wikipedia

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