MARA Holdingsは、AI（人工知能）およびHPC（高性能コンピューティング）分野への戦略的拡大を発表しました。同社は、フランスの国有エネルギー企業であるÉlectricité de France（EDF）の子会社であるExaionの株式64%を約1億6800万ドルで取得します。この取引は2025年第4四半期に完了する見込みです。
Exaionは、HPCデータセンターの開発・運営、セキュアなクラウドおよびAIインフラストラクチャサービスの提供を専門としており、NVIDIA、Deloitte、2CRSIといった業界リーダーと連携しています。この買収により、MARAはAIおよびHPCインフラストラクチャ開発における能力を強化し、セキュアなクラウドソリューションの提供を拡大することを目指しています。さらに、MARAは2027年までに業績目標達成を条件に、追加投資1億2700万ドルでExaionの所有権を75%まで引き上げるオプションも有しています。取引完了後も、EDFはExaionのクライアントとして少数株主にとどまります。
MARA Holdingsの会長兼CEOであるフレッド・ティール氏は、「Exaionとのパートナーシップは、データセンター開発とデジタルエネルギーにおける2つのグローバルリーダーを結びつけるものです。データ保護とエネルギー効率が政府および企業の最優先事項となる中、MARAとExaionの専門知識を組み合わせることで、AIの未来に向けた安全でスケーラブルなクラウドソリューションを提供できるようになります。」と述べています。
この戦略的買収は、MARAがビットコインマイニング事業に加え、成長著しいAIおよびHPC市場への進出を図るものです。特に、フランスを含む欧州市場では、AIおよびHPC分野への投資が活発化しており、2025年から2030年にかけてAIデータセンター市場は年平均32.28%の成長が見込まれています。Exaionの持つ技術力とNVIDIAなどのパートナーシップは、MARAがこの成長市場で競争力を高めるための強力な基盤となるでしょう。MARAの株価は、この発表を受けて2025年8月12日時点で1.82%上昇し、15.66ドルとなっています。この動きは、同社がデジタルエネルギーとインフラストラクチャのリーダーとしての地位を強化しつつ、新たな成長分野を開拓する意欲を示しています。